【フィンランドの羊】Suomenlammas（フィンシープ）

このところ、ahvenanmaanlammas や kainuunharmas という種類の羊の名前を出していましたので、それらの羊も含めて、フィンランド在来種の羊について紹介しておきます。

フィンランド在来種とされている羊の種類は全部で３つ。ahvenanmaanlammas（オーランドシープ）、kainuunharmas（カイヌーグレー？）、そして suomenlammas（フィンシープ）です。

これらの中で、一番多く飼われているのが suomenlammas…フィンシープ。フィンランドの羊として、国外でもよく知られているのもこのヒツジです。

ということで、今回はフィンシープについての話。

歴史・数

フィンシープの祖先がフィンランド地域にやってきたのは、4000年弱前。その後、他の種とほとんど交配することなく、フィンシープという独自の種が形成されたそうな。

現在フィンランドで一番多く飼われている種。純粋なフィンシープの数は減少してきているそうです。それでも、2015年に仔羊を産んだ成羊中、10 040頭（仔羊を産んだ成羊全体の約74％）が純血のフィンシープだったとか。

外見・大きさ

くうっけりのような素人が見ても、すぐに気づく外見的な特徴は、角がないということ。オス・メスともに角が生えていません。

色は白が主流ですが、そのほかに黒や茶、そして稀にグレーの子も。いずれにしても、体の位置によって色が違うとか、まだら模様があるということはなく、それぞれ体全体が同じ色の毛でおおわれています。

大きさは、オスは85㎏～105㎏、メスは65㎏～75㎏で、羊としては中型の部類だそう。

繁殖力旺盛!!

フィンシープが国外でもよく知られているのは、どうもこの特徴によるらしいです。

まず、若いうちに繁殖可能。メスは生まれてから7～8ヵ月（50㎏）で、もう交配させることができるそう。そして、成長のいいオスだと、生後4か月で成羊!!

また、季節に関わりなく交配できるのも特徴の一つ。さらには、排卵数が多く、妊娠もしやすいのだとか。

一度に生まれる仔羊の数の平均は2.7頭。生まれる仔羊が一頭のみというのは全体の10％。一番多いのは双子、三つ子。四つ子も決して珍しくはなく、五つ子ってこともあるようです。

この繁殖力がかわれて、ということなのでしょう。フィンシープは輸出もされているみたい。

そうそう、世界初のクローン羊のニュース覚えてますか？　あの羊のドリー、Dorset とフィンシープの交配種だったそうですよ。

活用

フィンシープは、肉・毛皮・ウールともに活用される種です。つまり、肉の生産、あるいはウールの生産のどちらかに特化したものではないということ。在来種ってそういうのが多いのかもしれませんね。

ウール

手仕事好きには、ここが一番気になるところじゃないでしょうか。

フィンシープのウール繊維は、特に細いわけでもなく太いわけでもない…かなり大ざっぱに分けて、太さでいえば中ランク。

それでも、つや、弾力があり柔らかく、昔から紡ぎの素材として使われてきているウールです。また、フェルト化しやすいので、フェルト作品を作るのにもぴったりのウールです。

フィンシープは色が多様。混紡することで濃淡を出すことも可能なので、チュラルカラーだけでも十分楽しめます。

例えばこちら ↓ のファームのウール製品。このファームでは、染色したウールは一切使わないのだそうですよ。フィンシープの自然の色だけで製作されています。

Woolproducts

　参考ウェーブページ　

Suomenlammas (Finnsheep) | Suomen Lammasyhdistys

FINNSHEEP r.y. r.f

めん羊のジーンバンク

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