手織り・染色・手紡ぎ等々、手仕事の記録です。フィンランドでのものづくりについても紹介しています。フィンランド発信。

【針編み(ノールビンドニング)】カピカピ(!?)針ミトン

このところ「針編み」(← Kuukkeli が勝手にそう呼んでいる。他国語では nalbinding, neulakinnas, nålbindning etc.) にはまっている Kuukkeli です。

以前の記事にもちょっとだけ紹介した、最近編んでいたミトンの話です。
ステッチをハンセンの表記法で表すと UUOOUU/OOUUOOO F2。←★


ここでは糸は時計の針方向に通っています。ピンクの部分をその方向に見てみると、最初2本の糸の下(Under・Under) を通り、次は2本の上(Over・Over) 、さらに2本の下 (UU) をくぐった後、右方向に方向転換 (/) しています。その後は、2本の糸の上 (OO)、2本の糸の下 (UU)、最後に3本の糸の上 (OOO) を通っています。それをまとめると、上記の★印の表記 となるわけです。

★印の表記の最後のF2は、どのように下の段につなげているかということを表しています。


ここでは、下の段の目を手前 (Front) から針を入れて2目ずつ拾っているので F2 ということになります。フィンランドで一般的なのは、この F2 タイプですが、1目ずつ拾ってもかまわないし、手前からでなく、後ろから針を入れて拾ってもいいのです。

ところでこのステッチ、多くの糸の上下を行きつ戻りつしています。それだけに、今回のような太目の糸で編むと、かなりしっかりとした編地になるということに気づきました。ちょっとカピカピかしらっていうぐらいです。どういうことかというと…


支えがなくても立つのですよ。全然くたっとならないんです。これはこれで、針編みのいいところなのではありますが(馬車を操るときに便利だったそうですよ。ミトンをしたり取ったりするのが、片手だけでも簡単にできるということで。)、親指もカピカピでは不便かなと思い、親指だけステッチを変えてみました。


親指の部分のステッチが他の部分と違うのが、この写真からお分かりになるでしょうか。ステッチの違いで、地のゆるさ…というかしっかり度というか…が変わってくるのですね。

針編みに長けた知り合いは、親指の部分だけを普通の棒針で編むことがあるといっていました。特に子供用のものを作るときには、親指部分をメリヤス編みにすることがよくあるそうです。親指を動かすのが楽なようにという心遣いですね。

針編みには、唯一正しいテクニックがあるわけではなく、バリエーションもいろいろです。完全にはまると怖いかも!?

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@tapionokuni