手織り・染色・手紡ぎ等々、手仕事の記録です。フィンランドでのものづくりについても紹介しています。フィンランド発信。

経糸の密度を計算で求めてみる

経糸の密度をどうやって決めていますか?

くうっけりは、結構悩みます。さっさと見当をつけて機にかけて、試し織をしてみればいいんでしょうけど。

でも見当をつけるっていうところで、まず悩むんですよ。定規に糸を巻いて、平織だったらこんなもんか?朱子織だったらこんなもんか?と、眺めながら考えて、やっぱり悩む …


このところ、『Weaving Textiles That Shape Themselves』(Ann Richards著)という本を読んでいます。その中で、Ashenhurst formula というものを知りました。糸の密度の計算法です。

日本でも知られているんだろうか?とググってみたら「アッセンハーストの理論密度計算式」って言葉を見つけましたよ。おそらくそのこと?

いずれにしても、今読んでいる本には、その計算法が分かりやすく解説してあります。そこでその記述をもとに、下の写真にある糸の場合で計算してみました。
(本に書かれている方法をそのまま公開するのはどうかと思ったので、
具体的な計算式はここには書きません。ごめんなさい。)


その結果、計算上の密度は、20.6本/㎝。かなりぎちぎちですね。定規にぐるぐるびっしり糸を巻いても、なかなかこの密度になりません。

なお、ここまでの計算では、織りで生じる経糸と緯糸の交差は考えられていません。

そこで、糸の交差を考慮してさらに計算すると、例えば

平織りの場合の経糸の密度は 10.3本/㎝
4枚綜絖の綾織りの場合だと 13.7本/㎝

となります。

ただ、この Ashenhurst formula で計算した密度というのは、その糸で織れる最高密度。実際にはそれよりもゆるく織るべきだそう。

だから、この密度を基準にして、その80%で織ってみようとか、70%にしてみようとか、そんなふうに使えばいいらしい。

例えば、80%で織るのなら

平織りの場合の経糸の密度は 8.2本/㎝
4枚綜絖の綾織りの場合だと 11.0本/㎝

70%なら

平織りの場合の経糸の密度は 7.2本/㎝
4枚綜絖の綾織りの場合だと 9.6本/㎝

…ということで、こうやって計算しても、何パーセントにしようか…なんて、結局は迷いますね。

でも便利そうです、この計算法。何で今まで出会わなかったんだろう?

2 件のコメント:

karamatsu さんのコメント...

からまつです。

いつもながら、大変ためになりました、ありがとうございます。

糸を定規に巻き付けるのはやってみても、ぜんぜん織るときの密度が分からなかったのですが、これで視界が開けました(*^^*)

Kuukkeli (くうっけり) さんのコメント...

こんにちは!
具体的な計算法を書いていないので、さほどお役にたてなかったんじゃないかと思っているのですが、そういっていただけると嬉しいです。
計算で求めるというのは、私にとっても新鮮でした。

でも一番いいのは、落葉松さんのように、ばんばん織ってみることじゃないかなと思っています。
私もそろそろ経糸をかけようかな…

@tapionokuni