この小説 ↓ の中では、
Koko upea saaristolaissarja yksissä kansissaMaija on saaristolaiskodin tyttö, joka naitetaan kalastaja Jannen vaimoksi kaukaiselle Myrskyluodolle. Meren naapurina eläminen opettaa nöyryyttä ja vahvuutta, ja luodon karuissa olossa Maijasta kasvaa vähitellen sitkeä saariston nainen. Koskettavassa tarinassa on lämpöä ja konstailematonta kauneutta.Kirja sisältää yksissä kansissa Myrskyluodon Maijan koko tarinan: Tie Myrskyluodolle, Luoto meressä, Maija, Meren voimia vastaan, Hyvästi Myrskyluoto.
小説の中の女性がどんなものを織っているのか、どんな道具を使っているのかをまとめてみます。
織っているもの
衣服
一番多く織られているのは、衣服用の布地でしょう。ある場面では、黒地で縞入りの布を織っています。一定間隔で縞の入れ方を変えながら。これは、男性用の上着になる布。縞の入れ方を変えているのは、上着にしたときにどれが誰のものか分かるようにだそう。
荒めの亜麻糸で、緯糸を変えることなく淡々と織っている場面もあります。
いずれにしても、自家製の布は全体にごつい布だったようです。
ところで、素材については各場面で具体的な描写があるわけではありません。でもおそらく、ウール、亜麻が主流でしょうね。
参考までに、布の種類として出てくる言葉は、 sarka・verka(ともに縮絨したウール布)、rohdin(荒い亜麻糸、ここではその糸で織った布のこと)、palttina(平織り布)、puolivilla(「半ウール」という意味です。一般には経糸が亜麻あるいはコットンで、緯糸がウール)など。
ただし、私が読んだ本はスウェーデン語からの翻訳本。ニュアンスのずれがあるかもしれません。ああ、スウェーデン語ができるんだったら、絶対原書で読むのになあ……
ところで、時折「経糸を買う」という話が出てきます。素材が何なのか特に書かれていませんが、19世紀の話なので、コットンだろうと思います。
寝具
フィンランド語で vällyt と呼ばれる、布団?のようなものがあります。掛布団、あるいはそりに使われていました。毛皮に布のカバーがついたものです。言葉よりも画像検索→vällyt - Google 検索 のほうが分かりやすいかな。
ryijy(画像検索へ→ryijy - Google 検索)という名も出てきます。画像検索で出てくるような ryijy は、装飾品・芸術品ですが、もともとは寝具として使われていたものです。
こういうものを織る機会というのは、まれだったでしょうね。普段は、とにかく家族の衣服を整えるので手一杯だったようです。
帆
新しい帆を作るシーンが小説に描かれています。帆用の布はもちろん手織り。
素材については書かれていないけれど、一部(おそらく経糸)は買った糸、一部は手紡ぎ糸が使われているようです。
密に織らなければいけないからでしょう。「帆を織るのは、織の中で一番大変だ」という記述もあります。かなり打ち込みながら織ったのでしょうね。
道具など
機
機そのものについての記述はほとんどありません。ただ、「布を織り終えたので、機を片付けなければならない」という場面があります。
どうやら、機は組み立て式。必要な時だけ機を出していたようです。
小管
織りに使った小管を片付けるシーンがあります。次に新たに集めるのは手間なので、使っていたものを大切に片付けています。
小管の材料は、ruokokaisla とあります。正式名称ではないんでしょうね。というのも、その名前の植物は見当たらないんです。
そんなわけで、どの植物を指すのか定かではありません。でも、どうもアシ(ヨシ)の仲間っぽい。空洞の茎を利用して、小管として使っています。
杼
「新しい杼を作ってもらおうか?」と考えているシーンがあります。材料になるのはスイカズラの仲間の木。
杼の形などについては具体的な記述はありません。残念……
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うまくまとめられませんでしたけれど、この小説には手織りのシーンが意外に多いのです。著者が手織り好きだったのかもしれませんね。
4 件のコメント:
古い時代の話だとしても、本当に、生活の中の仕事として書かれてるものなんですね。
島での暮らしとなると、今でも都市部に比べれば、購入するのではなく、自家製の手仕事にしていることも多いのでしょうか。
趣味で、高価な糸を買い、役にも立たないようなものを作っていられるのは、幸せな事なんだと思いました(^^;
手織りするシーンのあるものを読んだ記憶はないのですが、アーシュラ・ル・グインのゲド戦記シリーズの中に、4巻目だったか、テナーという女性が糸紡ぎの名人で、ゴハ=白い蜘蛛という良い意味でのあだ名が通り名になっていました。
テルーというやけどで手が不自由な娘に、糸紡ぎを教えているシーンもありました。
その話の先には「機屋?織り屋?」とかいう町工場があって、店に入ると大きな機があり織子がおり、そこの親方に娘を織子にしたいと相談にいくシーンもありました。
こうしてきっかけがあると、これまで読んだものの中にあったいろいろな手作業のシーンを、けっこう思い出せるものですね(*^^*)
この頃は、島だといっても手仕事が残っているとは限らない気がします。糸はこちらも高いんですよ。好きでもなきゃわざわざ糸を買って織るってことはしないでしょう。羊を育てて、という話になると、これもまたなかなかの労力ですし。
ゲド戦士は読んだことがありませんが、手作業シーンが描かれた本って、意外にあるものなのかもしれませんね。ふだん、小説はあまり読まないのだけれど、手作業シーンをチェックするという下心?をもてば、もう少し読書するようになれるかも?!
昔話には、手紡ぎや手織りをする女性が出てくる話も多い、と聞いたことがあります。紡ぎも織りも、女性の大事な仕事だったから。
私が思いつくのは、せいぜい、鶴の恩返しと七夕伝説、あとはグリム童話の眠り姫ぐらい。でも、他にもたくさんあるのでしょうね、きっと。落葉松さんはなにか思いつきますか?
私もそう思いつきました(*^^*)
女性の手仕事を読むために本を探してみようかって。
機織りで強烈な印象が残っているのは、有吉佐和子の小説、華岡青洲の妻。
華岡青洲の母は、娘二人と、息子不在のままもらい受けた嫁に織らせた布を業者に下ろし、息子の学費にあてて勉学を支えていました。
織るシーンよりも、熟練の織り手が3人いれば、そういう稼ぎになるんだと知って驚いたし、江戸時代後期には、布はこういう家内工業で生産されていたんだという事をこの時知りました。
あとは、宮崎アニメの千と千尋の後半、ぜにーばの家で話をする千尋のバックに、背に羽が使うのであろう織り機があってびっくりしました。
私は手織りに関心を持ったのはずいぶん前ですが、織り始めたのは最近なので、読んだものの中にあっても見落としているかもしれません。
そういうのも含めて、思い出したりnetで感想や粗筋を見たりして、織り機のあるシーン、手編みをするシーンのある読み物を探してみようかなと思いました。
有吉佐和子って名前は知っているけれど、彼女の小説を読んだ記憶が全くない……
今更ですが、日本にいたときもほんとに本を読んでなかったみたいですわ、私。(-_-;)
千と千尋も見たはずだけど、私はいったい何を見ていたんだろう? 記憶にない……
落葉松さんは読書家なんですね。内容をよく覚えているのもすごいです。ああ、爪の垢をいただきたい…
面白い本を見つけたら教えてくださいね。フィンランド語に翻訳されている日本文学は少ないけれど、海外文学だったらフィンランド語訳が手に入るかもしれませんし。
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