実際に染めたのは、先月末のこと。そして、写真だけは何枚かインスタグラム(Kuukkeli (@tapionokuni) • Instagram)にアップしていました。
今更ですが、あらためてこの染色についての覚書きです。
染色メモ
ルピナスの花を集める
もともとは園芸用としてフィンランドに入ってきたルピナスですが、今は野生化して、道路や線路わきなどに群生しています。きれいだけれど、フィンランドの自然界には迷惑な植物なのです。そんなわけで、道端のルピナスの花をいっぱい集めても顰蹙はかわない…はず。
こんな場所から、青い花だけを集めてきました。
房の下から上に向かって手でしごくと、意外に簡単に花だけを集めることができます。
そうやって集めてきたのがこれ。重さは約2㎏程。かさは26~27ℓぐらい。
染色液
花を目分量で2つにわけ、一方は食酢を入れた水(酸性)に、一方は フィンランド語でkidesooda といわれるもの(炭酸ナトリウム?)を入れた水(アルカリ性)に一晩浸しておきました。(単にその日は加熱する時間がなかったため)翌日、それぞれを加熱。でも、水温が60℃を超えたあたりでコンロからおろしました。ルピナスの花に含まれるアントシアンという色素が、熱に弱いということだったので。
ただ、この「熱に弱い」というのが、具体的にどれぐらいの熱に弱いのかということについてはググっても情報が見つからなかった…。色素が壊れてしまう温度というものがあるのか、それとも短時間なら高温になっても平気なのか、くうっけりには全然見当が付きません。それで今回、とりあえずこうしたのでした。
加熱した後は液が冷めるまでそのままにしておき、
液が冷めたころ、花を搾りながら取り去って、
写真でもわかるとおり、アルカリ抽出と酸性抽出ではだいぶ色が違っています。
糸
アルカリ抽出の液で染めたのは、Novita社の 7 veljestä という糸、約100g。酸性抽出の液で染めたのは同じNovita社の Nalle という糸、約110g。どちらも、ウール75%・ポリアミド25%の混紡糸。ミョウバンで先媒染した状態で保存しておいたものです。
染色
アルカリ抽出の液でも酸性抽出の液でも、同じように染色しました。(染色液に糸を入れたあと徐々に水温を上げ、70℃を超えたところでコンロからおろした)
そのあとは糸を液に入れたまま、一晩おいておきました。
染め上がり
酸性抽出の液で染めた糸は、花の色からも想像できる色合いですが、アルカリ抽出液で染めた方は意外な色。グリーン系の色になるであろうことは、本で見て予想はしていたものの、ここまで濃いグリーンになるとは思っていませんでした。うれしい驚きです。
さいごに
サンプルです。
ん~、色合いがうまく出ていない…
それにしても、スズ媒染(Sn)の威力はすごいです。写真にはうまく色が出ていないけれど、アルカリ抽出液で染めた糸は深いグリーン、酸性抽出液で染めたほうはやや紫がかった紺色に染まっています。
ところで、酢も sooda も使わず、中性のままで染色液を作って染めたらどんな色になるのでしょうね? 今度試してみようかな…
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2 件のコメント:
こんにちは。手元の本2冊によると、アントシアンは50度以上にするな、と書いてあります。で、低温でしか染められないので、ウール染めには不向きで、一番適しているのはシルクとのこと(それで、花びら染めの場合、私は真綿ばっかり染めています…)
ありがとうございます!!
自分では情報を見つけることができなかったので、とてもうれしい!!!
感謝です!!!!!
50度以上にしてはダメだったんですね…(-_-;)
来年はそれにしたがって、ルピナスの花染めにチャレンジしてみます。
こちらではシルクは手に入れにくい+超高価なので、ウールでの低温染めになりそうですけどね。
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