ブログ更新を怠けているうちにあっという間に月日が流れ、今日からフィンランドでも冬時間となりました。日の出が早くなったのは嬉しいけれど(とはいっても7時半過ぎ)、日の入りが早くなったのはちょっと悲しい。いずれにしても、これから日はどんどん短くなってきています。冬至まで2ヶ月弱ある…ってことは、暗い時間はまだまだ増えていくってこと…😱
図書館から借りてきた本です。
Allmogens skatter : En redogörelse över österbottninska allmogenmöbler och friargåvor 1700-1900
Talonpoikien aarteita : Selvitys pohjalaisista talonpoikaishuonekaluista ja morsiuslahjoista 1700-1900
著者:Paul Pohjonen
出版:自費, 1997年
Talonpoikien aarteita : Selvitys pohjalaisista talonpoikaishuonekaluista ja morsiuslahjoista 1700-1900
著者:Paul Pohjonen
出版:自費, 1997年
スウェーデン語とフィンランド語の2つの言語で書かれた本。だから書名も2つ。上記では、上がスウェーデン語、その下がフィンランド語の書名です。
書名の意味は『農民たちの宝:18世紀〜20世紀のPohjanmaa地域の家具と婚約ギフトの研究』。
ただ、日本語でいう「農民」のイメージと、フィンランド語の「Talonpoika」のイメージは違うかも。「Talonpoika」は、農民の中でも自分の土地をもった農民、つまり自作農を指します。
一方、この本で言うPohjanmaa地域は、歴史的にPohjanmaaとされてきた地域。下の地図で赤く塗られたところ。かなり広い範囲になります。(現在の行政区分でのPohjanmaaはずっと狭い範囲)
File:Historical province of Ostrobothnia in Finland.png - Wikimedia Commons |
このPohjanmaa地域の中でも、特に西海岸に面した地域には、スウェーデン語を母語としている人達も多く住んでいます(ちなみに、フィンランドの公用語はフィンランド語とスウェーデン語)。この本が2言語で書かれているのには、そんな背景もあるのでしょう。
本で取り扱われているのは、大部分が家具類。でも、書名にもあるように「婚約ギフト」としての木工品もいくつか取り扱われています。ディスタフもその一つ。そもそも、ディスタフについての本を図書館のサイトで検索していてこの本に出会ったのでした。
ディスタフの他に、紡毛機やボビン台などについての記述もありました。私が読んだのは、自分が興味を持ったそれらの部分だけ。そんな本の読み方をしてもバチはあたりますまい😅
ところで、この本の著者は研究畑の人ではなく、骨董品を扱う商売をしてきた人みたい。そのせいでしょうか、本に載っているのは、なかなか立派なものが多く、状態もよさげ。写真の注釈を見ると、どうやら殆どが個人の収集品。博物館のコレクションは多様だけれど、確かに、個人のコレクションはいいものばかりになりがちでしょうね。
フィンランドの博物館のコレクションは、それらのデータを集めたサイトから、ある程度見ることができます。そのサイトで、ディスタフや紡毛機の写真は何度か見てきたけれど、この本にあるような立派なものはそれほどなかったような気がします。
最初の写真に本の中身もちょっと載せましたけど、例えば紡毛機がなかなか素敵じゃないですか?特に大きい方の紡毛機。車輪(?)が二重になってる!ちなみに、フィンランドの初期の紡毛機の車輪は小さかったけれど、あとになってだんだん大きくなっていったそうな。中には、車輪の直径が1mを超えるものもあったとか。
ちょっと意外だったのは、婚約ギフトととしてディスタフが贈られていた頃、彫刻されたものよりも、ペンキで模様が描かれたもののほうが高価だったらしいということ。彫刻は誰でも(?)できたけれど、ペンキで模様を描くのはプロの仕事だったからでしょうか。
この本を読んでいてちょっとつらかったのは、知らない地名があまりにもたくさん出てきたということ。要は、私がフィンランドの地名をいまいちよく知らないのです。もう長いことフィンランドに住んでいるけれど、住んでいるだけじゃ分かるようにはなりませんよね、当然ながら。フィンランドの地理も少しずつ頭に入れていかなきゃなあ。
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