とじ針のような一本の針を使って編む「針編み」(← Kuukkeli が勝手にそう呼んでいる。他国語では nalbinding, neulakinnas, nålbindning etc.) の歴史はとても古いけれど、今は棒針編みやかぎ針編みのほうがずっとよく知られていて、針編みはあまりなじみがないかと思います。この編み方の一般的な日本語名称がないというのも、針編みが知られていないことを物語っているのでしょうね。
今回は、くうっけりなりに理解した、針編みのステッチについて書いてみようと思います。
針編みでは、1本の糸が螺旋状に輪を形成していきます。進行方向は左から右。ですから、棒針編みとは逆方向になります。
でももちろん、ただ単に糸をらせん状に置いただけでは、すぐに一本糸に戻ってしまいます。そこで、らせん状に新しい輪を作っていくとき、その前にできている輪、すなわち左側の輪に糸を通していくわけです。たとえばこんな感じ…
通し方は幾とおりも考えられます。そして、その通し方(ステッチ)がどのようなものかをハンセンの表記法というものを使って表すことができます。たとえば、写真の糸の通し方(ステッチ)ですと、ハンセンの表記法では O/UO です。とういのも…
まずは糸のピンクの部分にご注目。
このピンクの部分、まずは左側にある糸の上(O: over)を通り、そのあと右向きに方向転換(/)。そして今度は糸の下(U: under)を通り、最後は上(O: over)を通っている…したがって O/UO 。
説明がいまいちでわかりにくいかも。ちなみにくうっけりは、これを理解するまでにずいぶん時間がかかりました。知らなくても針編みをするにおいてぜんぜん問題はありませんしね。
次の写真のステッチは、UO/UOO。
次の写真は、UUOO/UUOOO。フィンランドで一番よく使われているステッチです。くうっけりもこのステッチを最初に覚えました。
どんな通し方をするかというバリエーションは、このほかにもいろいろ考えられます。フィンランドで使われてきたステッチもいろいろあるようです。
どんなステッチで編むにしても、できるのはリボン状の細長いものなの。ミトンなどを編むときには、下の段の糸をすくいながら次の段を編んでいきます。(正確には「段」はできずに、ぐるぐると螺旋状になるのですが)
これは、今編んでいるミトンです。
このステッチはハンセンの表記法で表すと UUOOUU/OOUUOOO 。これまでのよりも多くの糸を通しているし、ちょっとだけ複雑な通し方です。それだけに、編地が厚くしっかりしています。
ところで、針編みについて参考にさせていただいているのは、Webサイト neulakintaat.fi です。英語ページもあります。とてもすばらしいサイトです。
2 件のコメント:
はじめまして。
ミツハ と申します。
前のブログの時から 拝見させていただいておりました。
今回の 針編みの記事は、「毛糸だま」秋号にも掲載されていたので
とても興味がありました。
つい先日 針も購入したので くうっけりさんの記事を参考に 編んでみたいと思います。
こんにちは。
コメントをどうもありがとうございます。
ぜひ編んでみてください。
「nalbinding」などの言葉で動画検索すると、動画もいろいろ見つかりますよ。
写真などよりわかりやすく参考になるかと思います。
編んだら是非ミツハさんのブログにアップしてくださいね!
楽しみにしています。
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