手織り・染色・手紡ぎ等々、手仕事の記録です。フィンランドでのものづくりについても紹介しています。フィンランド発信。

朱子織の飛び数ペアの関係

前回の続きで、相変わらず朱子織に関する話題。

今回は、飛び数ペア(?)(足すと綜絖数になる2つの数)の関係についての話です。

七枚朱子は、斜めの線(朱子線)がはっきりと出てしまうので、あまり使われないそうですが、今回はあえてそれを例に挙げてみます。飛び数ペアの関係が分かりやすそうなので。

飛び数を求めるために、7を2つの数に分けます。

① 1と6
② 2と5
③ 3と4

①は朱子織の飛び数としては使えません。(綾織りになってしまうから)
でも、あとは問題なさそうです。

左下を起点として上に数える方法で、それぞれの飛び数を使って実際に描いてみます。


すでにこれらの図を見ただけでピンとくるかもしれませんが、リピートして描いてみるともっとわかりやすいかも。

で、マスじゃつまらないので糸っぽくして描いてみましたが、いかがでしょう?


これら2つの朱子織は、ほとんど同じ組織。単に右と左が逆になっているだけです。一方を鏡で映すともう一方の組織になる、そんな関係。

布としての大きな違いは、朱子線の向きが反対になる…一方では右上がり、もう一方は左上がりになる…ということでしょうか。

飛び数3と4の朱子織をリピートした図はここには描きませんが、それら2つの朱子織も、上記のペアと同じような関係になっています。

他の朱子織の場合も同じです。

五枚朱子の飛び数は2と3です。2と3は、足すと綜絖数5になるペア。
2飛びの朱子織と3飛びの朱子織…と聞くと、なんだか全く別の2種類の朱子織があるように感じますが、この2つは単に左右が逆なだけ。それ以外の構造的な違いはありません。

八枚朱子の飛び数は3と5です。これらも、足すと綜絖数8になるペア。
だから、やっぱりこれらもお互い鏡に映った姿であって、それ以外の違いはないということになります。

朱子織の飛び数を見つけるときに、足すと綜絖数になる2つの数にわけ、それらをペアごとに扱う、というのには、ちゃんと意味があったみたいです。

ペアの一方が飛び数となるなら、もう一方も必ず飛び数となる。そして、それらの飛び数でそれぞれに描いた朱子織は、お互いに朱子線の向きが逆になる以外、構造的な違いはない…そういうことらしい。

これらのペアって、ちょうど右上がりの綾織りと左上がりの綾織りの関係…例えば

みたいなものですね。


構造的な違いがないのなら、飛び数ペアのうち、どっちの飛び数を使ってもかまわないんじゃないか、ということにもなりそうですが、そうはならない。糸には撚りの方向があるから…

ということで、次回に続きます。

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@tapionokuni