手織り・染色・手紡ぎ等々、手仕事の記録です。フィンランドでのものづくりについても紹介しています。フィンランド発信。

ダマスク織の朱子線の観察

撚りの方向と朱子線の方向の関係について知ったのはごくごく最近のことです。今まで全く意識したことはなく、織りあがった布を見たときにも、そこまで考えたことがありませんでした。情けないことに、気づきさえもしなかったんですよ。

実際にどの程度違うものなのかが気になったので、以前に織った昼夜朱子織(ドレル・ダマスク織)の布を観察してみました

これは、コーヒータイム用ナプキンとして織ったもの。経緯とも亜麻の単糸、すなわちZ撚りの糸を使っています。


経朱子の朱子線は右上がり、緯朱子の場合は左上がりになっていると、朱子線は目立たないはず。逆に言うと、経朱子が左上がり、緯朱子が右上がりだと目立つということになります。

写真の布では、経朱子部分も緯朱子部分も左上がりの朱子線です。ですから理論上は、経朱子部分の朱子線は目立ち、緯朱子部分はそれほど目立たないということになる。

どうでしょう?その通りに見えますか?

さらに、上の写真よりちょっぴり広域に、布の方向通りに(縦方向が経糸)写真を撮った後、


同じ布を90度回転させて、縦横を逆にして写真を撮りました。


縦でも横でも目立つものは目立つ?

昼夜朱子を普通の機で織るときは、経朱子と緯朱子の境界がきれいに出るようにデザインします(関連記事:織の模様の境界の話)。そうすると、例えば経朱子の朱子線を目立たなくしようと思えば、緯朱子の朱子線は目立ってしまう。逆に、緯朱子の方を目立たなくすれば、経朱子の朱子線が目立ってしまう、ということになるようです。

経糸と撚りが反対の緯糸を使えば、経緯ともに目立たなくすることができるでしょうけれど、そこまでこだわる必要はあるのかな???

模様のための綜絖と組織のための綜絖、という2組の綜絖を使うダマスク機のような場合、五枚朱子のダマスク組織の作り方は、上記のものとは異なります。

ずうっと前に織ったテーブルランナー(関連記事:ダマスク織のテーブルランナー)はどうなっているのかを観察しました。

こちら側は、経朱子・緯朱子ともに、朱子線が撚りの向きとは反対。


こちら側は、経朱子・緯朱子とも、撚りの向きと同じ方向。こっちのほうが表面が滑らかに見える?


さて、朱子線の向きの違いで、表面の様子がどれだけ変わって見えるものなのかというのを、緯朱子同士、経朱子同士で比べるために、写真を合成してみました。

まず緯朱子同士。


どっちの朱子線が目立って見えますか?理論上では右側のはずですが、いががでしょう?

そしてこちらは経朱子。


左側の朱子線がより目立って見えるはず。どうでしょう?そのように見えますか?

全体を見れば、朱子線の方向にこだわる必要はあまりないような気がしますが、



上の写真側を表として使うのだったら、緯朱子の面積が広いところ(上の写真の地の部分)の朱子線が目立たないように組織を考えるべきだったと、今になって思いました。朱子線が目立つから、織り斑も目立つのですよ。下の写真側を表として使うときには、これでいいんですけど。

糸の撚りの向きを考慮した上で組織を決める…ということは今までありませんでした。でもこうしてみると、考慮する必要もありそうですな。

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@tapionokuni