手織り・染色・手紡ぎ等々、手仕事の記録です。フィンランドでのものづくりについても紹介しています。フィンランド発信。

真ん中を起点にして描いた朱子織の図と昼夜朱子織

再び朱子織関連の話題。

以前の記事(関連記事:朱子織の飛び数の数え方…上に?横に?左から?右から?五枚朱子織は何種類あるのか?)で取り上げた中に、真ん中を起点として描いた朱子織がありました。

例えばこれですね。


どこを起点にしたって、どっち方向へ数えたって、朱子織は描けます。でも、五枚朱子織の図をこの形で描くとなかなか便利なんですよ。

…というか、くうっけり自身は、この形でしか頭に入れてなかったし、自分の機での織の計画を立てるときには、いつもこのタイプの完全組織図を使ってました。(関連記事:五枚朱子のドレル

飛び数とかもあんまり考えたことなくて、この図を、単に図として覚えていた次第。

どこを起点として描いた図も、リピートすれば結局同じことだから組織としての違いはないけれど、昼夜朱子織(ダマスク織・ドレル)を織るときに使うのは、この真ん中を起点とした図なのです。

なぜかと言えば、この組織図を基準にリピートさせると、経朱子織と緯朱子織の境界が、縦方向も横方向も、はっきりきれいに織れるから。(関連記事:織りの模様の境界の話

試しに描いてみると分かるのですが、他のパターンだとこんな風にうまくはいきません。

他の綜絖数の朱子織でも事情は同じらしい。

…ということで、七枚朱子織の一つを真ん中起点で描いて、経と緯の朱子織を市松状に配置してみました。


ピンクと水色の境界線の両側は、きれいに黒白が逆転しています。

ところで、綜絖数が奇数の時には、真ん中のマスというものがあって、それを起点に飛び数をかぞえて図が描けます。でも、偶数のときには、真ん中のマスがありません。

そんなときには、普通に朱子織の図を描いて、そこから見つけることになります。

八枚朱子織の一例です。

 

ピンクで囲んだ部分は、★印を中心にしてぐるっと回して上下をさかさまにしても、もとの図と同じ…点対称になっています。昼夜朱子織(ダマスク織・ドレル)で使うのは、そういう図なのですね。(前述の五枚・七枚朱子織もそう思って見ると、中心を対称点として点対称になっているのが分かります)

試しに、この八枚朱子織でも、経朱子織と緯朱子織を市松状に並べてみました。この場合もやっぱり、経緯の境界部分で、黒白がきれいに逆転しています。


いずれにしても、真ん中を起点にして朱子織を描くことには、それなりの意義があるということですよね。

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@tapionokuni