手織り・染色・手紡ぎ等々、手仕事の記録です。フィンランドでのものづくりについても紹介しています。フィンランド発信。

糸の撚りの向きと朱子線の向き

朱子織で織った布の表面は、なめらかで光沢がある…その特徴がより生かされるように、一般には、織の表面に現れる斜めの線(朱子線)が、糸の撚りの向きと同じになるように織るそうです。

大好きな亜麻の単糸を使った場合について、五枚朱子で具体的に考えてみます。

こちらで市販されている亜麻の単糸はZ撚りです。つまり下の図でいえば、左側と同じ向きの撚り。

画像元:Wikipedia/ファイル:S-Z.jpg

さて、まずは緯朱子側を表として使う布の組織を考えることにしましょう。

この場合、表に並んで見えるのは緯糸です。Z撚りの糸を横にして並べてみると、全体の糸の撚りの方向は左上がり。


糸の撚りの方向と布の表面に現れる斜線(朱子線)の向きが同じになるように織るということは、朱子線が左上がりになるように織るということ。

だから、こんな風に織ることになる。


次に、経朱子側を表として使う布を織る場合。

このときは、表に並んで見えるのは経糸です。Z撚りの糸を縦にして並べてみるとこうなるので、


糸の撚りの方向は右上がり。だから、朱子線が右上がりになるように織る。


もし、この経朱子を裏側を上にして織るのならこうなります。


最初の例の、緯朱子を表として使う布の場合とは違いますよね。朱子線が撚りと反対の向きに出る…朱子織の表面の滑らかさを拒む方向になっているので、それを根拠に、これは経朱子織の裏側だ、と判断することもできそうです。

結局、五枚朱子のように飛び数が2つしかない場合、使う糸の撚りの方向と、経朱子・緯朱子のどちらを表として使うのかで、使うべき組織は必然的に一方に決まる…そう考えていいのかな。

2 件のコメント:

i. asaoka さんのコメント...

こんにちは。i.asaokaです。

朱子織の話を拝見していました。

朱子織の説明は、「3飛び5枚朱子」と飛び数をつけて呼んだり、飛び数の数え方が詳しく書かれていたりする本が日本では多いので、慣習や手順の違いにばかりとらわれていたようで…すっきりしました。

実は、23日の参考のスウエーデンの本の英語版を持っていまして、なるほどと思ったのですが、一般的ではなかった(?)のが始まりのようです。

「綜絖枚数を2つの数に分け、公約数を持たない数を見つけ…」という説明/手順だけでは、なぜ2つの数にわけるのか?なぜ公約数を持たない数なの?と何回読んでも問いたくなります。ですから、このブログや本のように、まず最初に「順番に組織図に書いてみて、朱子組織が現れる場合の共通する条件を見いだす。」という前半部分は、省略できないように思えます。

この後半の「綜絖を枚数を2つの数に分けたときに公約数を持たない」は、正則朱子の説明/見わける際の説明としても使われていますので、まぎらわしいことになるように思えます。見わけ方から逆戻りして、組織が描ければ理解したことになるのかどうか…?

「組織を理解する」「組織を見分ける」「組織を書く」「組織を使う」「慣習的なこと」で整理すればわかりやすくなるのですね。

四角の中でレピートするように組織を考えるというより、上下左右に際限なく広がる宇宙からレピートを切り取るような説明で、ダイナミズムあふれる…感じがしました。

また、楽しく手織りができそうです。ありがとうございました。

Kuukkeli (くうっけり) さんのコメント...

朱子織について考えるようになったきっかけが、i.asaokaさんのブログだったので、読んでいただけてとてもうれしいです。ありがとうございます。

今回、何冊かの本の朱子織に関する部分を読んで感じたのは、同じことをいうにも、いろいろな説明の仕方・まとめ方があるのだなということです。著者の考え方もさることながら、文字数・図数・ページ数の制約とか…そんなこともあるのかもしれませんね。

私が今までに目にした本の中で、朱子織についての解説が一番詳しかったのは、『織物組織篇全』です。この本は、インターネット上に公開されてます。(例えば、国立国会図書館の近代デジタルライブラリー(http://kindai.ndl.go.jp/))この本の朱子織についての解説は参考になると思いますので、どうぞご覧になってみてください。

朱子織関連の記事をもうちょっと続ける予定です。
またいらしていただけるとうれしいです。

@tapionokuni