緑とオレンジの四角で囲んだ部分に注目してみます。組織全体は、これら2つの組織の組み合わせでできているので。
まずは、緑で囲んだ部分を比べてみます。
前者と後者は、それほど大きく違うわけではありません。前者でも、ほとんどの経糸は沈んだままですから。違いは一部だけ。後者の組織にするためには、前者の状態から、一部の経糸を上げなければいけません。
次に、オレンジで囲んだ部分です。
オレンジで囲んだ部分を比べると、やはり前者と後者では、それほど大きく違いません。ただ、後者の状態にするためには、前者の経糸の一部を下げる必要があります。
そこで使うのが、目の大きい綜絖です。
この綜絖の目の大きさは、なんともうまく作られているのです。この綜絖が中央にあるときには、その後ろにある綜絖が作った開口が反映されます。でも、この綜絖が上がる、あるいは下がるときには、普通の綜絖と同じように働くのです。
図を描いてみました。機を横から見たところと思ってください。向かって左側が織り手の位置になります。
青い線で描いてあるのが綜絖のつもり。向かって右側の2つの綜絖は、ブロック模様どおりに動く綜絖(このあと「紋綜絖」と呼ぶことにします)、そして、左側の4つは、最終的な組織にするための綜絖(「地綜絖」と呼ぶことにします)です。
紋綜絖が下がっている場合を表したのが、緑で描いた部分です。経糸が浮くのは、地綜絖が上がったときだけです。
一方で、紋綜絖が上がっている場合が赤で描いた部分。経糸が沈むのは、地綜絖が下がったときだけです。
綜絖部分の上4枚が紋綜絖、下4枚が地綜絖として図を描いてみます。
地綜絖のタイアップは、上げるべき一部の経糸を上げ、下げるべき一部の経糸を下げるためのもの。全部をタイアップする必要はありません。タイアップ図の赤い部分は、経糸が浮くように、そしてグレーの部分は、経糸が沈むようにタイアップしますが、それ以外はタイアップしません。
ということで、理論上は上記のタイアップで、こんな組織…
そこで使うのが、目の大きい綜絖です。
普通の綜絖糸と目の大きい綜絖糸 |
図を描いてみました。機を横から見たところと思ってください。向かって左側が織り手の位置になります。
青い線で描いてあるのが綜絖のつもり。向かって右側の2つの綜絖は、ブロック模様どおりに動く綜絖(このあと「紋綜絖」と呼ぶことにします)、そして、左側の4つは、最終的な組織にするための綜絖(「地綜絖」と呼ぶことにします)です。
紋綜絖が下がっている場合を表したのが、緑で描いた部分です。経糸が浮くのは、地綜絖が上がったときだけです。
一方で、紋綜絖が上がっている場合が赤で描いた部分。経糸が沈むのは、地綜絖が下がったときだけです。
綜絖部分の上4枚が紋綜絖、下4枚が地綜絖として図を描いてみます。
地綜絖のタイアップは、上げるべき一部の経糸を上げ、下げるべき一部の経糸を下げるためのもの。全部をタイアップする必要はありません。タイアップ図の赤い部分は、経糸が浮くように、そしてグレーの部分は、経糸が沈むようにタイアップしますが、それ以外はタイアップしません。
ということで、理論上は上記のタイアップで、こんな組織…
…が織れるはずなのです。でも結局、くうっけりの使っている普通の機では十分な開口が得られず、結局このタイアップで織ることは断念したというのは、以前の記事のとおり。
地綜絖と紋綜絖との間に、十分な距離を置くことができなかったのが多分、十分な開口が得られなかったことの原因でしょう。
あるいは、もう少し伸縮性のある経糸だったら、ある程度ましな開口が得られたのかもしれません。
使えなかったタイアップについて、こうして長々と書くというのも変ですが、このタイアップの考え方自体は、ドロウルーム (drawloom) などと同じもの。うちにある機では実用的でなかったというだけで、使えるところではちゃんと使えるタイアップのはず…
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