手織り・染色・手紡ぎ等々、手仕事の記録です。フィンランドでのものづくりについても紹介しています。フィンランド発信。

【キノコ染め】アカヒダササタケでの2番染め

前回の染色後、残った液で再び毛糸を染めました。

pHを変えたら、もしかして発色が変わるんじゃないかと思い立ち、今回試してみることにしました。

とりあえずはまず、残液自体のpHを試験紙で調べました。

今まで中性だと信じて疑わず、調べてみようと思ったことすらありませんでしたが、結果はなんと酸性。pHは5ぐらいしかなかったんです。

キノコを煮出した液自体は、最初は中性だったと思われるので(染色前に取り出したキノコを調べたら中性でした)、染色後の液が酸性なのは、先媒染しておいた糸の影響でしょうか。媒染後の毛糸はすすがずに、脱水機にかけただけだったのです。媒染液は酸性でした。

ところで、媒染後の糸の処理についても、本によって違いがあります。今までに次の3つのパターンを目にしました。
  • すすぐことについては一切言及なし
  • 水ですすぐ
  • アンモニアを入れた水ですすぐ
どれが正当なのかわからないまま、今回は、すすがないというパターンを選択しています。それが一番手間がかからないものだから💦

さて、残液は2分することにしました。一方はそのまま、つまり酸性の状態。もう一方にはソーダを入れて、pHを9ぐらいまであげ、アルカリ性にしました。アルカリ性って、毛糸にはあまりよくないのでしょうけれど。

染色は、どちらも同じように、80~90℃の状態で1時間ぐらいコンロにかけておきました。

結果はといいますと…


向かって右側が残液をそのまま使ったもの、左側はソーダを入れてpHを上げた残液で染めたものです。期待とは裏腹に、色合いよりも色の濃さに大きな違いが出てしまいました。

無染色のウールのかせ(向かって左端)と並べてみると


いかに淡い色しか得られなかったのかが分かるかと思います。一方で、残液をそのまま使って染めた右端の糸は、それと比べると、濃い色が出ています。

最初に染めた糸(下の写真右端)と比べれば、薄いですけどね。


得られた色に満足かどうかは別にして、pHが違うと何らかの違いは出るということがわかったので、今回の実験(?!)は、それはそれで無駄にはならなかった…ということにしておきましょう。

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@tapionokuni