手織り・染色・手紡ぎ等々、手仕事の記録です。フィンランドでのものづくりについても紹介しています。フィンランド発信。

リネン糸での試し織り

リネン糸で、レース風の布を織ろうと思っています。

まずは、試し織りです。

試し織り第1号:

6枚綜絖です。
もうちょっとスケスケ感が欲しい気がしたので、綜絖通しをし直して、別の組織で織ってみることに。

試し織り第2号:


7枚綜絖です。
面白い生地になったけれど、なんだかスケスケ部分が粗い気がして…
スケスケ部分をもうちょっと細かくしてみようと、あらたに計画し直して、もう一枚。

試し織り第3号:


第2号よりシンプルに見えますが、8枚の綜絖が必要。
◇の内側がスケスケになるようにデザインしたけれど、◇の内側を平織にして、第2号みたいに、交差する斜線部分をスケスケにしてみてもよかったかな…

なんて、いろいろ考えだすときりがないので、試し織りは一応ここまでにしておきました。

ところで今回試し織りに使ったのは、綜絖が下方に動く機です。この機は小さいので、経糸をかけるのが楽だし、タイアップの手間もシステム上少なくて済むので。でもこの機、今回使った経糸にはそぐわないということに、織り始めてから気づきました。

機にかけた経糸はリネン、それも単糸です。コットン、ましてやウールなどと比べたら、伸縮性はかなりおとります。

この経糸の場合、綜絖が下方にしか動かないと、張りに問題が生じるようです。実際、糸の張りが緩んだりして一部の糸がうまく開口せず…かなり気を付けて織ったつもりでしたが、それでも何か所か織り間違えていました。

綜絖が上下に動く機の利点は、伸縮性の少ない経糸の時に、はっきりと現れるのかもしれません。

もしかすると、伸縮性のない糸でもいい杼道が得られるカウンターマーチやカウンターバランスのような中口開口の機が好まれるのは、リネンを使う歴史がある地域。そしてそんな地域では、綜絖が片側にしか動かない…例えば今回くうっけりが使ったタイプの機やジャックルームのような機…は好まれないのかも。

逆に、ジャックルームのようなタイプの機が普及している地域では、リネン糸をほとんど使わない???

…そんなふうに考えてしまうぐらい、今回の経糸は織りにくかったんです。

2 件のコメント:

i.asaoka さんのコメント...

こんにちは

いろいろと本や資料を読みくらべて、片開口のジャックと中口開口の違いは、その地域の素材とも関係すると思っていましたが、予想通り。ちょっとうれしくなりました。アメリカのジャックユーザーは本の写真を見るかぎり、ウールや綿が多いようです。

それにしても、リネン糸でレース織は上品できれいですね。上質のリネンの糸は、日本では入手しにくく、高価で・・・・うらやましいかぎり。


Kuukkeli (くうっけり) さんのコメント...

ありがとうございます。

素材と開口システムの関係…やはりそう思われますか?
今回使った下口開口の機も、ウールや木綿の経糸であれば問題はないのですが、今回ははっきりと、カウンターマーチ機との違いを実感しました。

日本は、素材も道具もこちらよりもずっと手に入りやすいだろうと思っていたので、リネン糸が入手しにくいというのは意外でした。
生産地が日本から遠いからなのかなあ…

@tapionokuni