日本語の「凧糸」に相当するのが、フィンランド語では kalalanka。kala(「魚」の意)と lanka(「糸」の意)の複合語です。なんだか魚でできた糸のような名前だけれど、もちろんそんなはずがあるわけもない。
なのになぜ「魚糸」なのかといえば…(あくまで推測ですけど)
kalalanka の別称は kalastajalanka。現在どちらの言葉も使われているけれど、後者 kalastajalanka の方がもともとの名称かと思われます。というのも kalastaja は「漁師」のことなのです。で、凧糸は丈夫だから、化繊が一般化するまでは漁網などに使われていたらしい。つまり漁師が使う糸なので kalastajalanka。で、それが簡略化して kalalanka。
ちなみに、自分が使い慣れているのは kalalanka という名称の方。織りの本などで使われているのもそれです。(それで見出しの方もそっちにしておきました)
凧糸はいろんな太さがありますが、一般に手織りに使われるのは日本でいう2~6号の凧糸です。フィンランドでは一般に凧糸の太さを何本撚りの糸かで表すので、フィンランドふうにいえば、6本撚り・9本撚り・12本撚り・15本撚り・18本撚りの5種。
6本撚り(2号・20/6)は、ポッパナ織りなどでの経糸として使われることが多いかな。カラフルな色も手に入るので、私自身はこの太さの凧糸をカード織りに使うのが好きです。(関連記事:カード織りバンドとカード織りの耳 )
9本撚り(3号・20/9)はあんまり使われないかも。でも最近、私が綜絖子を作るのに使ったのはこの太さの凧糸です。
12本撚り(4号・20/12)は、マット用の経糸に使われます。やや小さめのマットとかだとこの太さの経糸で十分なのかも。それから、中古の機と一緒にうちにやってきた、古い綜絖子はこの太さの糸で作られていました。
15本撚り(5号・20/15)は、裂き織りマットを織るときに一般に使われている経糸かと思います。マットを織るときは、私もたいがいこの太さの糸を使っています。
18本撚り(6号・20/18)を使うのは、大型マットを織るときかなあ。自分では使おうと思うことはあまりないけれど、そういえば、以前マットを織った時(関連記事: キッチン用のマットを織る )にこの太さの糸を使いました。
…以上、織りのことを念頭に書いたけれど、凧糸はかぎ針編みなんかにも使われているみたいです。なんてったって、色のバリエーションがそれなりにありますから。(参考:Liina Kalalanka・Molla Mills)
最後に、手元にある凧糸在庫の一部。写っているのは6本撚り(2号・20/6)の糸です。
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