手織り・染色・手紡ぎ等々、手仕事の記録です。フィンランドでのものづくりについても紹介しています。フィンランド発信。

オーバーショット織りの組織図からリップス織りの組織図を描く ~前編~

このリップス織りも


このリップス織りも


オーバーショット織りを土台にしています。

これらを織るにあたって、オーバーショット織りの柄をどうやってリップス織りにしたか…そのことについてここに書きとめておくことにします。

ただし、本で読んだとかネットで見たとかではなく、あくまでくうっけりの勝手なやり方です。ご了承ください。

リップス織りの模様


まずは、リップス織りでは、どんなふうに模様が織りだされているかという話から。

これは少し前に織ったリップス織りマットの表面。向かって左が表、右が裏。


  • 経糸で模様が織りだされてる。
  • 模様を織り出す経糸(赤)と地の経糸(白)の、2組の経糸が使われている
  • 太い緯糸と細い緯糸が交互に使われている
というのが分かるでしょうか。

経糸と緯糸の関係を図にしてみました。横から見た様子を表しているつもり。水色の丸は緯糸です。太い緯糸と細い緯糸が交互に並んでいます。ここでは、赤は模様になる経糸、グレーは地の経糸とします。

これは、模様が織り出されている部分。赤い経糸は太い緯糸の上にあるので、この部分は表から見ると、全体に赤く見えます。

こちらはその逆。表側は全体にグレーに見えます。


そしてこちらいびつな絵になってしまったけれど、表の色が入れ替わる様子を描いたつもり。


いずれにしても、赤の糸1本ととグレーの糸1本のペアは、それぞれいつも逆の位置にあるのです。赤が上ならグレーは下、グレーが上なら赤が下というふうに。

これらの糸が必要に応じて入れ替わることで、模様が織り出されるわけです。

オーバーショット織りの組織図


これは前回( 1つの模様から2種類のオーバーショット織り)描いた組織図。前回の記事でいう②のほうです。


これをもとにして、リップス織りの組織図を描いていくことにします。

オーバーショット織りのタビー(平織)は、本でも省略されていることが多いですよね。省略したほうが見やすいし、リップス織ではタビーはいらないので、まずは上の図からそれを取ってしまいましょう。(組織図の模様がつぶれないように、緯糸を適当に増やしています)


タイアップ

オーバーショット織りでの模様は、緯糸で織り出されます。つまり、模様となる部分では、経糸の上に緯糸があります。

リップス織りでは経糸で模様を出します。つまり、模様を織り出す部分では、経糸は緯糸の上にあります。

だから、オーバーショット織りとリップス織りでは、タイアップの白黒が理論上は逆。そうやって描き直したのが下の図。模様が分かりやすいように、経糸を赤、緯糸を白、というふうに、色も変えてみました。


ただこれは理論上であって、タイアップは必ずしも変える必要はありません。オーバーショットと同じタイアップのままでも、踏み順を変えることで同じ組織が織れますから。

ただここでは、タイアップの白黒を逆にしたという前提で話を進めることにします。

さて、上の図に描かれているのは、模様を織り出す経糸のみ。それとペアになる経糸がまだ描きこまれていません。次に、それを描きこんでいきます。


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@tapionokuni