手織り・染色・手紡ぎ等々、手仕事の記録です。フィンランドでのものづくりについても紹介しています。フィンランド発信。

【草木染めの本】Luonnonväriaineet ~天然染料~

2015年出版の『Luonnonväriaineet』(天然染料)という本を読みました。いわゆる「草木染め」に関する本。

Riikka Räisänen、Anja Primetta、Kirsi Niinimäki という方々による共著。一般向けに書かれた本ですが、著者は3人とも研究者。それだけに、巻末の引用文献のリストが半端ないです。

こんなリストが、全11ページ。


くうっけりがこの本を読む気になったのは、フィンランドの方のブログ(草木やキノコで染めをされている方が書かれている Riihivilla, Dyeing with natural dyes というブログです。フィンランド語だけでなく英語でも書かれています)で、この本が紹介されていたのをしばらく前に読んだからです。

だいたい書名を耳にしただけだと、草木染めの本だなんてピンと来なかったと思います。表紙を見れば見当がつくかもしれませんが。

本の内容は大きく3部に分かれています。

第1部では、染色に使われる植物が紹介されています。紹介の対象になっているのは、基本的に、フィンランドに自生する、あるいはフィンランドで育てることができる植物です。

第2部には、いくつかの染色法の基本が書かれています。煮染めのほかに、電子レンジを使った染色法や、熱を加えない染色法なども。それから、ハマタイセイを使っての藍染。さらに、天然染料を活用した布へのプリントについても説明されています。

第3部は「天然染料のテクノロジー」と題され、天然染料について様々な視点から書かれています。色が見える仕組みだとか、染料の働きをする代表的な有機化合物の構造だとか特徴だとか、染色に影響する事柄だとか、染色用植物の生産についてだとか、染料の取り出し方についてだとか、環境にやさしいテキスタイルの生産で考慮すべきこととか…

第1部や第2部は写真なども多く取っ付きやすいですが、第3部は図といえば六角形がいっぱい…高校レベルの化学でさえもチンプンカンプンなくうっけりには、理解不能な部分がたくさんありました。知らない単語も数多くありましたし。

まあ、自分が理解できたかどうかは別にして、これは面白い本だと思います。分子レベルから解説している草木染めの本って珍しいですよね、きっと。

ところでこの本では、基本的に同時媒染を勧めています。効果としては先媒染がいいということは述べられていますが、使用する水や加熱に使うエネルギーを考えると、同時媒染のほうが環境にやさしいから、というのが理由らしい。

そもそも先媒染も同時媒染も違いはわずかで、肉眼では気づかない程度であることも多い…という話。

でも

くうっけりが数年前に試した時には、ニワタケで染めたときも(関連記事:キノコ染め(ニワタケ))、アカヒダササタケで染めたときも(関連記事:キノコ染め(アカヒダササタケ―先媒染と同時媒染―))、先媒染と同時媒染では、かなり違う色に染まったんですよ!!

試してみたのはこの2回だけだから一般化はできないと分かってはいても、先媒染と同時媒染の違いは本当にわずかなのか?という疑問が。

ん~どうなんでしょう???

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@tapionokuni