英語名は distaff 。そしてそれを英和辞典で調べると「糸巻棒」。…ん???なんか違う…
これ、糸を巻くためのものじゃなくて繊維をとりつけるものなのなので、「糸巻棒」じゃ変ですよね。
ということで、英語からそのまま「ディスタフ」というのが妥当そう。で、検索してみたら、実際、日本ではその言葉が普通に使われているみたい。そういうわけで、ここでもそれにならうことにします。
フィンランドのディスタフは、いくつかのタイプに分けることができます。それぞれ名称も違います。
フィンランドの博物館が公開している写真の中にも様々なディフタフがあります。その中から、tortti タイプのディスタフの写真を何枚かアップしてみました。なお tortti は pölä とも呼ばれていたらしい。
tortti タイプの特徴は回転することだそう。で、こんな単純な形のものも立派な tortti。
Tortti; pölä 木製 制作年不詳 サイズ:長さ 35cm・幅 5cm 画像元:tortti; pölä | Kansallismuseo | Finna.fi ライセンス: CC BY 4.0 |
でもやっぱり、博物館に残されているものは、装飾的なものが多いです。
これは、一つの木から掘り出されたもの。内部の装飾の一つである円形の部分に制作年、そしてその裏には場所が記されています。
Tortti 木製 1850年制作 サイズ:高さ 34cm・最大直径 7.5cm 画像元:tortti | Kansallismuseo | Finna.fi ライセンス: CC BY 4.0 |
内側に馬がいるタイプ。枠がちょっと欠けているのが残念。
Tortti 制作年不詳 サイズ:高さ 38cm・最大幅 7.3cm 画像元:tortti | Kansallismuseo | Finna.fi ライセンス: CC BY 4.0 |
シンプルに幾何学模様。一つの木から彫り出されたもの。
Tortti 木製 制作年不詳 サイズ:高さ 38cm・最大幅 7cm 画像元:tortti | Kansallismuseo | Finna.fi ライセンス: CC BY 4.0 |
こちらは花のモチーフ。
Tortti 木製 制作年不詳 サイズ:高さ 37cm・最大幅 7cm 画像元:tortti | Kansallismuseo | Finna.fi ライセンス: CC BY 4.0 |
その昔ディスタフは、男性から婚約者への贈り物だったそう。だからこれらのような装飾的なものが作られてきたのでしょう。
tortti を実際に使っている写真も探したのだけれど、見つけることができませんでした。でも、紡毛機に設置した写真を1枚見つけたので載せておきます。繊維が取り付けられていないから、紡ぐときのイメージはわかないかもしれないけれど。
Detalj av spinnrock (紡毛機の一部) 撮影: Erik Hägglund 画像元:Vörå museum. (1910-1960) | Svenska litteratursällskapet i Finland | Finna.fi ライセンス: CC BY 4.0 |
フィンランドの博物館が公開している tortti の写真は他にもたくさんあります。こちらのリンクからどうぞ。(tortti じゃない写真もちょっと混じってますが…💦)
tortti にどのように亜麻の繊維を取り付けるのか…それについてはこの動画が参考になりそうです。国や道具の姿かたちが違っても基本は同じだろうから。
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