手織り・染色・手紡ぎ等々、手仕事の記録です。フィンランドでのものづくりについても紹介しています。フィンランド発信。

フィンランドのディスタフ その2《RUKINLAPA》

フィンランドで使われてきたディフタフの中で、一番おなじみなのが rukinlapa といわれるもの。tortti は柱状の立体的なものだけれど、この rukinlapa は板状です。羽根つき板に似てるかも。

rukinlapa という呼び名もその形から来ているのでしょう。 rukinlapa は rukin と lapa の複合語。rukin は「紡毛機の」(参考までに「紡毛機」は rukki )、lapa は幅のある板状のものを指す言葉。例えばボートをこぐときに使う櫂の先っちょの平たい部分とか、プロペラの羽とかを lapa といったりしますので。

この rukinlapa って、今でも時に目にすることがあります。使っているのは見たことないけれど、壁に飾りとして掛けられていたりするんですよ。

博物館にもたくさん残っているようです。博物館が公開している写真を検索してみたら、tortti とは比べ物にならないほどたくさんの写真がヒットしました。

これは、博物館が公開している写真のうち製作年が分かっているものの中では一番古いもの。フィンランドのディスタフには色が塗られているものが多いのだけれど、これは木目そのまま。モチーフは鳥と冠。下の鳥の頭の上にあるハートがさかさまになったようなところに、制作年と文字が入っています。

rukinlapa
木製
1763年製作
サイズ:高さ 53.50 cm, 幅 12.50 cm, 厚さ 3 cm
画像元:
rukinlapa | Kansallismuseo | Finna.fi
ライセンス:CC BY 4.0

蔓草がモチーフのディスタフ。

rukinlapa1832年製作
サイズ:高さ 54 cm, 幅 12.50 cm
画像元:
rukinlapa | Kansallismuseo | Finna.fi
ライセンス:CC BY 4.0

手の込んだ彫刻やペイントがほどこされたディスタフも多い中、こういうのもなんだか素朴で微笑ましい。

rukinlapa木製(白樺)
1856年製作
画像元:rukinlapa; kuontalolauta | Satakunnan Museo | Finna.fi
ライセンス:CC BY 4.0

このタイプの幾何学模様が彫られたディスタフはよく見る気がする。

rukinlapa
1863年製作
サイズ:高さ 48 cm, 最小幅 11 cm, 最大幅 14 cm
画像元:
rukinlapa | Kansallismuseo | Finna.fi
ライセンス:CC BY 4.0

こちらには、人や動物のレリーフも。犬もいるんですよ。見つかりますか?

rukinlapa
1864年製作
サイズ:高さ 43.50 cm, 幅 12.50 cm
画像元:
rukinlapa | Kansallismuseo | Finna.fi
ライセンス:CC BY 4.0


最後の写真は、このタイプのディスタフを紡毛機に取り付けて紡いでいる様子です。

Anni Kyytinen kehräämässä Kurkijoen Särkijärvellä
(クルキヨキのサルキヤルヴィでアンニ・キュウティネンが糸を紡ぐ)
撮影:Kyytinen Pekka, 1930年代
ライセンス:CC BY 4.0

フィンランドの博物館が公開している写真は他にもいろいろあります。rukinlapa での検索結果したページをリンクしておきます。



関連記事

torttiタイプのディスタフ。

rukinlapa はうちにもあります。使おうと思って買ったのは10年以上も前。なのにまだ使ってないし…💦

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@tapionokuni