今回は、柱状でも板状でもないタイプ。フィンランド語では一般に harkki とよばれているものです。
このタイプのディスタフは、亜麻の短い繊維を紡ぐときに使われたのだと聞いています。形を言葉で上手く説明できないので、写真の方をご覧くださいませ。
これは、松の木のてっぺんを使って作られたもの。枝分かれを利用したのですね。
harkki; rukin harkki 素材:マツ 制作年不詳 サイズ:高さ 25 cm, 幅 28 cm 画像元:harkki; rukin harkki | Kansallismuseo | Finna.fi ライセンス:CC BY 4.0 |
harkki はうちにもあります。その昔、蚤の市で中古の紡毛機を買ったときについていたもの。自家製っぽいです。でも、4本の尖った棒も紡毛機に取り付けるための脚も、しっかり土台にはめ込んで作ってあります。
使っている様子です。蛇足ですがこのおばあちゃん、写真の撮影当時80歳ですって💕
Juusefina Kuusoja kehrää "kräkiltä" pellavia eli "ihoja" (亜麻を紡ぐユーセフィーナ・クーソヤさん) 撮影:Vahter Tyyni, 1933年 画像元:Juusefina Kuusoja kehrää "kräkiltä" pellavia eli "ihoja" | Museovirasto - Musketti | Finna.fi ライセンス:CC BY 4.0 |
そして紡いでいる様子をもう一枚。
kehruunäytös Mäntsälän maatalousnäyttelyillä (マンツァラの農業展示会での紡ぎのデモンストレーション) 撮影:Pietinen, 1937年 画像元:kehruunäytös Mäntsälän maatalousnäyttelyillä | Museovirasto - Musketti | Finna.fi ライセンス:CC BY 4.0 |
本題とは関係ないけど、この写真を見て気づいてしまった…💦 これ以外の糸紡ぎ中の写真って、実際に紡いでいるわけじゃなくて、紡いでいるポーズをとってもらって撮影しているってことに。紡いでいる最中であれば、シャッタースピードがやたら早くない限り、この写真のように車が回っているのがわかるはずですもん。…今まで全然気づかなかった😓
最後に、博物館が公開している写真の harkki での検索結果をリンクしておきます。
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亜麻の繊維を採る過程で、剣山みたいな häkilä(下のリンク先の動画だと4分辺りに登場)に残るのが、短い繊維。harkki が使われたのは主に、そのような繊維を紡ぐとき。なお、この記事には追記として、その後見つけたベルギーのLIBECOのリネンづくりの動画を埋め込みましたので、改めて覗いてみてください。昔ながらの作業との大きな違いが面白いですよ。
他のタイプのディスタフについてはこちらから。
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