くうっけりはそれまで、飛び数は上に数えるのが普通だと思っていたのですよ。何しろフィンランドで目にした本では、すべてがそのパターンなのです。
例えば、この図です。
Anna Henriksson 著『Kankaankudonnan oppikirja』(1947年)p.121より |
起点が左下で、そこから上方向に数えています。
そもそも、日本語の「飛び数」にあたる言葉は、フィンランド語ではnousuluku…上がり数…で、その名前自体が上に数えるということを表しているんです。
でも、探してみるといろいろあるものなのですね。
せっかくなので、今までに見つけたいくつかのパターンを挙げておきます。
これは日本の本。起点は上記と同じ左下ですが、飛び数を横方向に数えています。
京都造形芸術大学編『織を学ぶ』(1999年)p.105より |
右下を起点とするものもあります。
右下を起点として横に数えているパターン。スウェーデン語で書かれた本にありました。
M. Erriksson, G. Gustavsson & K. Lovallius 共著 『Varp och inslag』(2008年)p.57より |
5枚朱子織の適当な図がなかったので、次の図は7枚朱子織です。上記の3つの図とは、書き方・数え方が微妙に違うので見にくいかも。でもよくよく見れば、右下を起点として上方向に数えているということがわかるかと思います。
吉田龜壽編著『織物組織篇全』(1903年)p.182より |
さらには、真ん中が起点というのもあります。上方向に数えています。
Elsa Silpala著『Sidoksia kankaisiin』(2002年?)p.76より |
このタイプで横方向に数えている図は今のところ見つけていませんが、あってもおかしくはないでしょう。
どのパターンが正統か…っていうのは多分なくて、どのパターンでもやってることは結局同じ。でもその同じことを説明するのに、著者によって(国によって?時代によって?)表現の仕方が違うというのが面白いですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿