手織り・染色・手紡ぎ等々、手仕事の記録です。フィンランドでのものづくりについても紹介しています。フィンランド発信。

ダブルボビンシャトルからの糸の出し方

こんな布を織っています。



緯糸は、在庫の糸を利用。経糸の太さに合うように2本どりです。

そこで今回、2本の緯糸を一度に渡せるように、ダブルボビンシャトルを使っています。

さて、このシャトルからの糸の出し方に注目してみてください。


この糸の通し方はあまり知られていないかもしれませんね。

よく目にするのは、こうしてそれぞれの穴から糸を出して使うというものでしょうか。


ここでは、これにちょっと手を加えます。

上の写真の状態から、まずオレンジの糸を、緑の糸が通っている穴に内側から通します。


緑の糸も同様にして、オレンジの糸を最初に通した穴に内側から通し、これで準備完了。この状態でシャトルを使います。



普通のシャトルを使うときには、シャトルを受け取ったとき指先で小管の回転にブレーキをかけることができます。でも、ダブルボビンシャトルだと小管が2本あるしシャトルも長いし、そんなことは至難の業。

そこで、上記のように小管からの糸を通すわけです。そうすることで、緯糸に多少ブレーキがかかり、小管が必要以上に空回りすることがなくなります。

使用する糸やシャトルの形の違いもありますので一概にはいえないでしょうが、それでもこの方法を試してみる価値はあると思いますよ。

ちなみにくうっけりは、ダブルボビンシャトルはこうして使うもんだとずっと思っていたんです。そう最初に教わったからですね、たぶん。

でも、この通し方をしているのを見ることが意外なほどに少ないことに気が付いたので、ここで取り上げてみた次第。どなたかの参考になることを願って。

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

始めまして私もweaverです。共通の話題はかなり前の話で恐縮ですがストックホルムに北欧デザインの研究に一年家族で一年住んでいました。帰国時にフィンランド・ノルェー・デンマークと旅しました。クールなスウェーデン人と対象にヘルシンキの人々の温かみを覚えています。さて、丁寧な織物の姿勢に感動します。ダブルボビンシャトルもうまく使えずそのままにしていました。ところで・・・織っていらっしゃる布の組織は何でしょうか・・・今私の住む標高450mは緑のグラデーションが美しく白とグリーンのコントラストも素晴らしくうっとしとして・・・ついメール・・・お尋ねいたします。森子

Kuukkeli (くうっけり) さんのコメント...

こんにちは。
コメント、ありがとうございます。
そして、この布についてそのように言っていただいて恐縮です。

この組織は、8枚綜絖の綾織が基本になっています。タイアップはごく普通の綾織で、綜絖通しと踏み順でこのような模様を織り出しています。

この組織について近々記事に取り上げて、もう少し詳しく説明しますね。

匿名 さんのコメント...

いつも丁寧な説目にの記事を書いてくださって、ありがとうございます。
この記事を見て糸の通し方を知ってたるみを軽減させられ、宝の持ち腐れだったダブルボビンシャトルに陽の目を見せられました。
織りの知人たちもこのブログを見ているようですし、私はいつも勉強させてもらってます。

Kuukkeli (くうっけり) さんのコメント...

こんばんは。
コメントをありがとうございます。

少しでも参考になったのであれば、とてもうれしいです。
その時々の自分の興味次第で気ままに書いているブログなので、読んでいる方はどう思っているんだろう?って、時々不安になるんです。
そんな中で、このようなコメントをいただけると励みになります。

不定期更新のブログですが、これからもどうぞお付き合いくださいませ。

からまつ さんのコメント...

こんにちは、いつも記事更新を楽しみにしています。
この糸の通し方と普通の通し方を比較してみましたら、空回りしにくくなってたるみがかなり解消されました。

この記事の方法を試した結果を、自分のブログに引用させていただきました。
事後承諾になり申し訳ないのですが、どうぞご了承くださいますようお願いします。

Kuukkeli (くうっけり) さんのコメント...

わざわざご連絡いただき、ありがとうございます。
この記事がお役にたてて、とてもうれしいです。

このブログ、最近更新をさぼっていますが、今日は遊びに来てくれた方がいつもより増えてました。からまつさんのおかげですね♥

私も、からまつさんのブログをいつも読ませていただいているんです。
これからも楽しみにしていますね。

@tapionokuni